マッサージについて

◆ ムチウチとは?

主な原因としては、ほとんどの場合、自動車などでの追突事故等に代表されるように、頚部に大きな力がかかり、頚椎関節の正常な運動方向や範囲を超えた運動が強制されたために起こる靭帯や関節包の損傷断裂です。車の衝突事故のときに、体は前方に移動しますが、頭はとり残されるので急激に後ろにそり返り、次の瞬間前方へ曲がる状態となり、ムチのようにしなります。このとき、頚椎周囲の筋肉・靭帯・椎間板・血管・神経などの組織が損傷を起こしたものをムチウチ症(頚椎捻挫)といいます。つまりムチウチは頚の捻挫であるわけです。また自動車事故に限らず、転倒や打撃等による頭部または頚部への衝撃による事も多く、つまりムチウチは頚の捻挫であるわけです。
主な症状としては、頚椎の周りの靭帯や筋肉の裂傷、硬縮、炎症により頚部の痛みを伴い、自由に頚を動かせないなどがあります。強度のムチウチの場合には頭痛、耳なり、めまい、吐き気、肩凝り、腕や手の神経異常(しびれ・痛み・マヒ)、顔面神経異常(神経痛)、鼻詰まりなどが起こることがあります。受傷の数時間後、あるいは翌日になってうなじの痛み、熱感、頭が重い感じ、肩こりなどの症状が現れることが多いのですが、受傷直後に現れることもあります。逆に数週間から数ヶ月たった後に症状が現れることもあります。また、症状から、以下の4つの型に分類することもあります。
頚椎捻挫型
4つの型のうち最も多いもので、全体の70〜80%を占めています。頚椎をねんざしたもので、首や肩が痛くて動かしにくいといったように、寝違いや肩こりによく似た症状を示します。
根症状型
頚椎の椎間孔やその前後で、頚髄から出ている神経根が圧迫刺激されるために症状が現れるものです。首を横に曲げたり、首を回したりした時に頚部痛や腕のしびれや痛みが強くなるのが特徴です。その他、後頭部痛や顔面痛、顔にベールをかぶったような違和感などをうったえることが多いものです。
バレ・リーウー症状型(後部頚交感神経症候群)
後頚部やうなじの痛みのほか、めまい、耳鳴り、視力障害、眼精疲労、顔面・腕・のどの知覚異常、声がかすれる、ものを飲みこみにくいなどの症状があり、胸部の圧迫感などの心臓の症状をうったえることもあります。
脊髄症状型
脊髄が損傷された場合には、下肢のしびれ感や知覚異常のために歩行が障害されたり、尿や便が出にくくなったりする膀胱直腸障害が出ることもあります。
ムチウチ症の人はさまざまな症状をうったえますが、診断ではほとんど異常が認められないことが多いです。
また、ムチウチ症の約70%は適切な治療により6ヵ月以内に治りますが、それ以上たっても症状がとれないときは治りにくくなる可能性があります。


◆ 腰痛とは?

腰痛には多くの原因があります。2本足による直立歩行―それはヒトがヒトであることを示す進化の賜物です。しかし、その代償としてヒトの腰は、上半身の重みをすべて受けるという負担を負うことになりました。また、ヒトは利便性を追求する生き物です。車の運転、パソコンでのデスクワークが普及した現代社会においては、「立って歩く時間が少ない」ことこそが腰痛の原因になっているとも考えられます。
慢性腰痛にいたっては、現在でも医学的に原因がはっきり解明されていません。また、ひと言で腰痛といっても、内科疾患が起因するものや骨、関節、筋の障害によるもの、加齢による変性によるもの、椎間板の損傷によるもの、心因性のものなどがあり、それらをもとに、いくつかに分けることが出来ます。
内科疾患によるもの
多くは上部腰椎(腰のくびれより上)と骨盤上に痛みが出ます。原因疾患としては泌尿器系(腎臓、膀胱など)と生殖器系(精巣、卵巣、子宮など)が考えられます。又、腹部大動脈瘤もその血管壁が破れる過程で急性の激しい腰痛を伴います。これらの痛みの特徴としては、安静時にも痛みがあるということで、特に、就寝時に痛みで目覚めるなどの徴候は悪性腫瘍やそれらの骨転移の可能性が考えられます。
骨、関節、筋の障害によるもの
運動に伴っておこるので原因がはっきりしている場合が多いのですが、思い当たる節がないという場合も多々あります。重いものを持ち上げたときによく起こるのが筋の損傷や関節の捻挫で、ひどいときには立てなくなることもありますが横になって安静にしているときには痛みが治まっていて、ほとんどの場合1週間から10日で痛みはほぼ治まります。しかし、機能回復が完全になされていないと慢性化を起こす原因となります。骨粗鬆症の人は圧迫骨折を起こしやすく、その場合痛みは長引きますが、安静期間が長くなると、筋の萎縮や関節機能障害が起きるので早期からのリハビリテーションが必要です。
加齢による変性
年齢を重ねるとともに椎間板の水分は徐々に失われて、厚みが少なくなり、関節に遊びができて不安定になるのでそれを補償する為に変形が起こるとされていますが、変形の度合いが大きいときや場所によっては痛みが起きます。痛みの特徴としては、朝起きるときに痛みが強く、しばらく動かしていると痛みがなくなったり、同じ姿勢を長時間しているとその後動かすときに痛みが起こったりします。
神経症状を伴うもの
おしりから太もも、すねやふくらはぎに痛みやしびれがある場合は、椎間板損傷や脊柱管狭窄症による、坐骨神経痛が疑われます。しかし、臀部筋 ( 梨状筋 )による坐骨神経の圧迫や血流障害によるもの、また、神経症状ではありませんが、腰部の関節や仙腸関節の障害による関連痛や臀部の筋の 筋・筋膜痛症候群の関連痛なども同様の場所に痛みが出ます。
慢性腰痛
慢性腰痛患者の多くが数度の急性腰痛の後に慢性化を起こしていますが、それはひとえに前述したように傷害後のリハビリテーション不足によるものと考えられます。他の部位にくらべ腰部は、立てなくなる恐怖からか傷害後にかばって運動不足になる傾向にあって、それが慢性化を起こす原因と考えられます。急性腰痛の炎症期終了後は、なるべく早期からの運動療法による機能回復が必要です。肩こりと同じく、腰部の 筋・筋膜痛症候群も慢性疼痛の原因となります。その場合、痛みは臀部まで広がる事があります。その他、慢性腰痛には肩こり同様、心因性のものも多く、うつ病や抑うつ傾向にある人によく現れます。心配事や、不安、怒りの感情を抑圧する事により、交感神経起因の循環不全が起きることが原因であるという理論もあります。


◆ 五十肩とは?

五十肩とは、加齢的退行変性が基盤となり、40代〜60代にかけて発症する有痛性肩関節拘縮症のことを言います。また、五十肩は40歳代から50歳代にかけて発症します、症状は肩の疼痛に始まり運動制限が起こり、続いて肩関節拘縮の状態になり、やがて大部分は症状が軽快していきます。
五十肩のはっきりとした原因は不明ですが、病態は肩関節を構成する骨、軟骨、関節包、回旋筋腱板など諸組織の加齢的変化を背景として、小外傷による組織損傷、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋腱鞘炎などの炎症を引き金として発症します。
その主な症状は、腕を上げる時、内側、外側に回す時に運動が制限されるなどの運動障害があったり、骨以外の肩関節周囲にある軟部組織、筋肉・関節包の慢性炎症による癒着により疼痛を伴ったりします。疼痛は運動痛、夜間痛などで運動制限は外転、内旋、外旋が特に制限され、整髪、結帯動作などが困難となります。
症状は自然軽快の経過をたどるといっても、疼痛期から拘縮期にいたる過程で適切な治療を行うか否かで、五十肩の終末像にかなりの開きが出てしまうのが五十肩の特徴です。


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